建築基準法から見た知識

建築基準法の中で特に間取り作成に必要な情報・ノウハウをピックアップ。

建築基準法は、建築物等に関する最低の基準を定めている法律です。たとえ、建築基準法をクリアしていてもそれは、法は最低基準だと考えてください。

 

「確認申請」 家を建てる前には建築確認申請が必要。(例外もあります。)

家を建てる人(建築主)は、事前に役所などに建築確認申請書という書類を提出して、建物が建築基準法やその他関係法令等に違反していないかを見てもらい、OKをもらわなければ工事に入れません。OKだと、確認済証がでます。ちなみに、建築確認は有資格者の建築士が作成しますので建築士にご相談ください。

 

「居室の採光及び換気」
 
日中でも電気をつけないと暗いような部屋では、健康面だけでなくあらゆる面でもマイナスです。そこで、法律では住宅の居室(部屋)には、外からの明かりをとるための窓の大きさに最低の基準を定めています。住宅に関しては、居室の床面積の7分の1以上の大きさの窓面積が必要です。例えば、6畳(9.93㎡)の部屋だと、居室の7分の1の1.42㎡以上が必要です。目安として1.42㎡とは、横幅1.6m高さ1.0mくらいの窓は法律上必要になります。(厳密には、採光補正係数という緩和規定がありますので、目の前が道路の場合は1.42㎡の3分の1で大丈夫な場合もあります。)

居室の床面積の7分の1以上の面積の窓は最低限必要ですが、さらに、換気(通風)を考慮するために一つ部屋には最低開口出来る窓を2つ以上設置し、風の通りを良くすることが必要です。ひとつしか設置してないと、風の抜けがよくないです。出来れば、風が欲しい5月から9月ごろの季節にいっぱい吹いてくる方向にひとつあるといいです。自然の力をうまく利用することで、エコにもつながります。

 

「敷地等と道路の関係」

住宅密集地で火災が発生した場合、消防車が通れないくらい道が狭いと大変危険で、社会的に不安です。そこで、住宅密集地など(都市計画区域及び準都市計画区域内では)道路に2m以上接していない土地には建物は建てられません。まず、敷地が道路に2m以上接しているかどうか確認してください。

また、道路ならなんでも良いわけではなく、建築基準法に定められた道路に限られています。

建築基準法上の道路はある程度広くないといけませんので、幅員4m以上必要です。

  1. 国道、県道、市道など道路法による道路
  2. 都市計画法などによる道路
  3. 法律ができる前からあった道
  4. 2年以内の事業が執行予定されていて市などが指定したもの
  5. 私道で市などから基準に適合し、位置の指定を受けたもの

4m未満でも、法律が出来た時に建物が立ち並んでいる道で特定行政庁(市など)が指定したものは、道路とみなしてくれます。ただ、その場合、道路の両側が敷地の場合は道路の中心からそれぞれ両側に2mの線を道路の境界線とみなします。反対側が川などの場合は、そちらから計って4mの線を道路の境界線とみなします。

その場合、それの線よりも道路側の部分は自己所有でも建物は建てられません。また、塀なども制限されますのでご注意が必要です。道路が2つ以上接していた場合でも、裏の道1つでも4m未満があると4mに拡幅しなければならないケースがあります。石垣や塀などを取り壊しする必要がでてくるので、注意が必要です。

 

「私道の変更又は廃止の制限」

いくら自分の道路(私道)でも、勝手に私道の変更や廃止をすることはできない場合があります。

 

「用途地域」 土地には建物の用途が定められている地域がある。

自分の土地だからと言って、建物を建てて何でも好きなように利用することはできません。例えば、住宅地の中に不特定多数の人が出入りするようなパチンコ屋や映画館などがあったら、近隣の人は落ち着いて生活できません。また、工場なども騒音や空気汚染などのことを考えると望ましくないでしょう。そこで、建物の使い道を制限、規制するようになっています。土地を購入するときなどは特に注意してださい。購入後、希望の用途の建物を建てられなかったなんてことがあります。現在12の用途地域に分類されています。

  • 住居系  第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、第2種中高低層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居用地域、準住居地域 
  • 商業系  近隣商業地域、商業地域
  • 工業系  準工業地域、工業地域、工業専用地域 

「容積率」

建築物の合計床面積が敷地面積に対してどれだけの割合かを示す値です。例えば、1階50㎡、2階30㎡の合計床面積80㎡の建物のは敷地面積120㎡の土地に建てると、容積率は(80÷120)×100%=66.6%です。

敷地面積が狭く、容積率が小さいときは、特に注意が必要です。例えば、用途地域が第1種低層住居専用地域で指定容積率60%の敷地165.28㎡(50坪)であれば、165.28×60%=99.16㎡(29.99坪)までしか建てられません。(但し、他の規定は考慮していません。道路斜線制限等)4LDKを建てようと思って購入したら、容積率オーバーってことも考えられます。